eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

作曲ってどうやってやるの?

別のブログの紹介文をここに移動、加筆しました。

作曲編曲について、よくある質問と、それに対する私なりの回答です。

(2018年7月1日更新)

 

 

■作曲ってどうやってやるの?

質問してる暇があったら、
・まず音符1個おけ!
・そしたら2個目をおけ!
・次は3個目だ!
・あとは・・・分かるな?

というのが、半分冗談ですが、かなり真面目な回答です。

 

音符が縦横に並べば、メロディやハーモニー、リズムが生じます。

それを聞いてみれば、たとえ音楽理論を知らなくても「ここを変えてみようかな?」と感じることがあるはずです。

並べてみておかしいと感じたら、直せば良いだけです。
それを繰り返していけば、必ず出来上がります。

 

「できあがった!」と感じられるようになるまでの時間は人それぞれです。

・楽器の演奏経験

・音楽を良く聞いている

音楽理論を身につけている

などの素養によって、納得した曲になるまでの時間が短くなります。

逆に、理想が高く鳴りすぎて「完成した!」と宣言できないこともあります。

 

■質問より実践を。

質問することは素晴らしいことですが、実際に作ってみることは質問の100倍すばらしいことです。質問をするより作品を作りましょう。

 

■質問するなら作品とともに

質問をする時には作品を持っていくと。その曲を聞いた上で返答してくれるので、よりよい回答が得られます。

質問だけしても、あなたがどういうレベルなのか分からないので、的確な返答ができません。「理論やったほうが良いんじゃないかなぁ」程度の当たり障りの無い正論を言うことしかできません。(それは指導とは呼べません。)

で、そういう「正論」「ベキ論」を集めるだけになってしまいます。こうすれば良い、こうするべきだ。それでは何の成長にもつながりません。

 

医者が「規則正しい生活、栄養バランス、適度な運動」と言うだけでは医療行為とは呼べません。そんなことは患者を見なくても言えることだからです。

すでに作った曲を聞いてもらって、「この前作った曲がこんな感じなんだけど、どうしたらもっと良くなると思う?」と質問しないと、あなたの体にあった薬を処方することができません。

 

■耳年増になってはいけない

今の自分にそぐわない知識は害悪にさえなります。

なぜかというと、「こうあるべきだ」という知識が下地になってしまうと、今の自分に適切なアドバイスをいただいた時に「でも、こうするべきですよね」と心の中で反論してしまうことになるからです。

たとえ言葉に出さなくても、無意識に「自分の知識のほうが今のアドバイスよりもハイレベルだ」と拒絶してしまうものです。人の心というのはそういうものです。

知識の収集は耳年増にならない程度にしましょう。栄養はバランスが大事です。

 

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 ■1日8小節作曲ドリル

というわけで、具体的に実践を積み重ねる方法を紹介しておきます。

 

「1日8小節作曲」は私の作曲レッスン(初級)で実際に生徒にやらせている方法です。

 

最初からフルコーラスでたくさんの楽器を使った曲を作るのはとても困難です。

でも、1日たったの8小節ならハードルが一気に下がります。

 

どんなくだらない内容でも良いので、毎日作曲のための時間を作り、習慣化してもらうようにレッスンしています。

 

毎週レッスンをやっている人の場合は6曲作って7日目にレッスン。
月2回(2週間)の人の場合は13曲作って14日目にレッスン。

レッスンではすべての曲をMIDIで提出してもらって、添削と次に身につけるべきテクニックを提案しています。

次の提出日までに新しいテクニックを導入して6曲とか13曲を作ってきてもらうことにしています。

良いアイディアが出なかった日はどうしてもつまらない曲になってしまうようですが、どんなにつまらない曲でも絶対に毎日作品を作って残すことを最重要視しています。
なぜなら、あなたが大好きなアーティストのCDに10曲入っているとしても、その10曲のために大量のボツ曲が作られているからです。
作った作品のすべてが傑作というアーティストは絶対に存在しません。
優れた曲のためにクソ曲を大量に作り、砂の山から1粒のダイヤモンドを探すことこそが傑作を作るプロセスだからです。

たとえ1日8小節でもそれは1曲を作ったことになります。
1ヶ月で少なくとも20曲。1年で300曲近い作曲をした!ということになります。

こういう有無を言わさぬ蓄積と継続こそが傑作を生み出すのではないでしょうか?

作った曲のすべてが名曲で、動画サイトでたくさん再生されて、なんてのは夢です。

ある超一流のコンペ作家の人の話によれば「100曲作って、提出が10曲、通るのが1曲」とのことです。プロでもそうなんです。

もしあなたが「駄作を世に出さず、出した作品の全てが神曲」という天才的な音楽家として尊敬されることを夢見ているのだとしたら、駄作を家の外に出さなければ良いだけです。これだ!と思った作品だけを発表すれば良いです。そのために必要なのは大量の習作です。

 

■複雑なコードとシンプルなコード

慣れないうちは安易なコード進行に対してメロディを書くだけでOKです。
コードはJPOPのコード進行がたくさん書かれているサイトからパクってOKです。
慣れてきたら自分で作ったコード進行でやってみましょう。

たぶん自作のコードでやっていると、無駄に凝ったコードにしようとする欲が先行しすぎて、無意味で使いにくいコードになってしまうはずです。
凝ったコード進行を自分で書けるようになってきたら、あえてダイアトニックコードだけでやってみたり、近親調からの借用コード程度だけを使った「縛りプレイ」みしてみると、シンプルなコードの奥深さに触れることができるはずです。

 

このあたりまで習得したら、コードに対するメロディの度数を意識してみましょう。

コードが「ドミソ」の時にメロディが「ミ」とか「ラ」を多く鳴らしている、という関係性の研究です。

 

こういう研究をする時に、何も手を付けずに「度数ってどうやって意識してますか?」と質問しに行ってはいけません。自分なりに出来る限り研究し、それから質問をしないと、相手が何を言っているのか全く理解できないからです。

 


 

■音域を制限してみる

コードとメロディ度数をある程度理解できたら、メロディの音域(最高音と最低音)を制限してみましょう。1オクターブ半の音域でメロディをスラスラ書けるようになれば大体OKです。

1オクターブ半という音域の広さは、訓練された歌手が普通に歌える音域です。

 

慣れてきたら1オクターブ+3度とか、1オクターブだけでメロディを書けるように努力してみてください。

1オクターブの音域というのは、ローカルアイドルや小学生でも楽しく歌える音域です。

キーをうまく調整すれば、男女どちらでも楽しく歌える音域に収まる曲になります。この音域の広さだけで良いメロディが書ければ、より実用的な作曲が身についたといえます。

 

歌の音域に限らず、どの楽器でも音域の制限があります。

音域を制約した作曲ができるということは、生演奏が可能な作曲ができるということですから、よりプロフェッショナルな作曲技術ということです。

演奏可能な作曲技術と、楽譜を作れる能力があれば、仕事レベルの音楽制作能力があるといえます。音楽制作専業にならなくても、副業にすることも可能です。

ぜひ挑戦してみてください。

 

・ボカロにも音域はある

特にボーカロイドが好きな人たちに多い傾向として「DTMなんだから音域なんて関係ない!」と主張する人がいます。

私はその考え方ではダメだと思います。

なぜなら、たとえボーカロイド曲だったとしても、「歌ってみた」に発展する可能性があるからです。生歌にしようとした時に、人間では歌えない内容だと損をします。

たとえ生歌にしなくても、ボーカロイドにはそれぞれ最も自然な音が出る音域があるので、やはり音域が無制限なわけではありません。

もちろん音域を制限した作曲がちゃんとできるようになった上で意図的に音域を無視するのはクリエイティブな行為なので、演奏効果があるならどんどん試みるべきです。

 

■発展的な練習「パーツの接続と改変」

毎日8小節の作曲をすることが習慣化したら、次はその8小節のパーツを接続する練習をするのが実践的でおすすめです。

AメロとBメロの接続。Bメロからサビへの接続。サビからAメロへの戻りや、間奏への接続です。

 

接続のためには、接続する2つのパーツの「接着部分」を少し加工するとスムーズに繋げやすくなります。また、あまりにもスムーズすぎる時には、意図的に段差をつけてドラマチックな展開を作ってみることもできます。接続用のパーツを新たに作る方法です。

 

ただ音が並んでいるだけでも「広い意味では音楽」ですが、作りたかったのはそういうつまらない作品ではなかったはずです。聞いた人の心を動かす力を持つ音楽が「狭い意味での音楽」であって、心のない駄作とはまったく違うものです。

 

・美学

私が「この曲はすごいなぁ」と感じる時、それは接続の上手さです。

それは私が作編曲の勉強で特に重点的に訓練したのが「接続」の技術だったからかもしれませんが。

単に「サビが良い」というだけではなく、そのサビが良いと感じた理由をよくよく考えてみると、Bメロからの接続方法がドラマチックだからだったり、2回目のサビで間奏への接続の際に若干の変化を付けていることによる意外性だったりします。

自分が「これは良い!」と思った曲があったら、自分が何を良いと感じたのかを徹底的に考え抜くことが大事です。

美味しい食べ物をただ「おいしい!」と言うだけではなく、なぜ美味しかったのかを考えるということです。

 

こういう考え方を突き詰める学問を「美学」と言います。

私は美学の真髄は「好きと良いの違い」だと考えています。今の所。

 

■パクリと発展

そういう感動的な音楽を作れるようになるためには耳コピをすることが一番の近道です。

耳コピする曲はあなたが感動した曲がベストです。

あなたが聞いたこともないのに「この曲を聞け!」と押し付けられた曲を耳コピしても、得るものは少ないです。

もちろん自分が好きな曲だけではなく、みんなが好きな人気曲、歴史的・売上的に評価されている曲も耳コピしてみるのも素晴らしいことです。自分の好みとは違うけど多くの人が感動しているわけですから。

 

そうやって多くの曲を耳コピしてみると、どういう仕掛けがされているのかがよく見えてくるはずです。

最初のうちはその「仕掛け」をそのまま流用し、慣れてきたらちょっと改造して使ってみる。そのために行うのも「8小節作曲」です。

1つのトリックを身につけるために4分とか5分の曲を作って、丁寧にミックスして、それを動画にしてアップする必要はありません。

 

8小節か、もしくは、8小節2パーツの接続を試作してみれば、ファンが単に「この曲なんか好き」と言うだけの愛情表現ではなく、「この部分がうまい」というクリエイターならではの考え方を身につけることができます。

 

 


■オンラインレッスンやってます

細かい点については個人個人に合わせたスタイルでオンラインレッスンを行っています。

レッスンでやるほどのことでもないなら無料で返答することもあります。(暇な時なら。)

docomokiraiあっとgmail.comまでお気軽にご相談を。

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