対ボス用レジェンダリジェム”Bane of the Stricken”(BotS)に対する誤解について書いておきます。
重要な点だけまとめておくと、
- ボスを速くするより、道中を速くした方が効率が上がるかも?
- 防御ジェムを使えば超攻撃的なプレイが可能になる
- ゲームモード別に複数ジェムを常備しよう
です。
以下詳細。
■Strickenはエリート&ザコには効果がありません!
まずStrickenに対する誤解と、いかに無意味なジェムであるかについて。
セカンダリの+25%ダメージの効果があるのは「アクトボス」「リフトボス」だけです。勘違いしている人が非常に多いですが、エリートにも効果がありません!
厳密には効果はあるのですが、対エリートなら他のジェムの方が圧倒的良いです。
プライマリの連打によるダメージ上昇は低難易度ではダメージが大きくなる前に敵が死ぬので無意味です。
知っている人にとっては常識なのですが、これを知らない人が驚くほど多いのが実情です。「それエリートに効果無いよ!」と指摘して「まじで!?(英語で)」と言われた回数は数え切れないほどです。
道中のエリートに対して効果があるのはプライマリの「当てるたびに1%程度ずつ増加」だけです。連打によって威力が上がる効果です。連打ってことは、長期戦向けということです。
高速ファームや、70程度のGRではまったくと言って良いほど効果がありません。さくさく進めるうちは、「当てるたびに1%程度ずつ増加」より、別のジェム(Powerful=黄色の丸)で常に20%増加の方が圧倒的に有利です。
仮に極限までランクアップしたBotSで2%増加だったとしても、10回当ててようやく20%増加。
これがもしPowerfulなら初弾から20%増しで10発当てていることになります。それってもうエリート道中でどっちが有利なのかは、小学校の算数レベルでもわかることです。
■Strickenは高GRボス専用だと思ってOK
ともかく、Bane of StrickenはGR70以上(DPS職では80以上)の最高到達点を押し上げる時以外には全く必要ない、地雷ジェム筆頭だとさえ言えます。GR押し上げはシーズン末期にやれば良いプレイ内容であって、シーズン序盤や中盤は、各種素材を集めてリフォージをすることで装備を強化する時期です。また、Caldesannの1回目(LVL50)を行って初期のAIを強化する時期です。Strickenを使って高GRをやるよりファームすることが大事です。
Strickenの効果はものすごい回数(数100回レベル)を命中させることによって爆発的なものになるので、GR70台ならStrickenは不要だとさえ言えます。他のジェムを使った方がGR全体のスピードが上がります。Strickenで早くなるのはボスとの戦い「だけ」だと思って良いです。
で、GR70程度でボスに対してそれほど時間がかかるってことは、道中も遅いってことですよね?
ボスをさくっと倒して「俺つええ」したい気持ちは分からないでもないですが、ボスを数十秒早く倒すより、道中のエリート全てを数十秒早く倒したほうが、トータルで早いということです。
■全弾に適用されているわけじゃないですよ?
BotSの上乗せ効果は最短で0.3秒毎にしか発揮されません。(追記。効いてるとの説もあります。)
Flying Dragonを装備したモンクの超高速攻撃だとしても、そのほとんどは対象外になっています。
イメージ的には高速攻撃のモーションが見えると「うおー!すごい勢いでBotSが乗っていくぜー!」と思うかもしれませんが、妄想でしかありません。
■ボス戦より道中高速化とファームが大事じゃね?
たしかにBotSはボス戦で非常に強力です。
でも、道中を効率的に攻略できれば、ボスの時間が何割か増えたとしても余裕です。
道中で何度も死んで手こずっていると、ボスが出現した時にはもう手遅れという状況になってしまいます。それではStrickenを持っていても無意味です。
道中のスピードを改善すれば、相当な高GRでもない限り必ずクリアできます。
また、強力なボス相手に何度も倒れているようでは、火力以前の問題です。ころころ死ぬのはビルドが完成していない証拠ですから、防御を確立させるべきです。防御を確立した上で攻撃力アップ傾向にしてビルドを完成させていくべきです。ファーム(低難易度稼ぎプレイ)に戻ってビルドを固めてから難易度を上げるほうが良いです。プレイしていて爽快ですし、プレイ時間あたりの収穫量も多くなります。Diablo3は強敵を苦戦して倒したから良いものがもらえるゲームではありませんよ!
あと言うまでもないけど、中途半端なパーティで高GRに挑戦するのをやめましょう。
敵の生命力は、
- ソロだと100%(基礎値)
- 2人だと150%
- 3人だと200%
- 4人だと250%
になります。
パーティ人数1人追加で基礎値から50%増しです。(150%の5割増や200%からの50%増ではなく、あくまでも基礎値からの割増計算です!)
敵の生命力が高いということは、倒すまでに時間がかかります。時間がかかるということは、強力な攻撃を受ける回数が増えます。それを回避するために動き回る必要が生じ、周辺の敵を余計にひきつけてしまったり、一箇所にまとめるための動きもままならなくなります。
特に顕著なのは設置型攻撃(アーケインセントリー、毒、燃える床)です。設置攻撃は交戦時間が長引くと周辺フロアを埋め尽くすほどの量になってしまい、敵に接近することさえままならなくなってしまいます。
高GR以外では、そうなる前に数秒で倒すのが基本です。(逆に言えば、高GRとは長時間の戦闘に耐えられる防御力の確保こそが重要ということです!)
特にクールダウンを要するスキル1回で殲滅できない場合には2回3回のターン待ちになってしまい、クールダウン中にやられてしまう危険性があります。防御を確立しましょう。
■Strickenより大事なジェム
どの職、どのビルドでも、この5種を常に高レベルでキープしておくと良いです。
これらのジェムによって、リーダーズボード上位の人やサイトで見られない変則ビルドが可能になってきます。(いわゆる「最強ビルド」は高GRに特化したものでしかありません。ゲームの9割以上を締めるファームプレイではむしろ劣等ビルドです。)
順不同になりますが、
Bane of the Trapped(攻撃用)
どのビルドでも大活躍する定番の火力アップジェムです。
複数作っておく(※後述)と、新キャラ育成を自力で行うことも簡単になります。
ヒーラーモンクなどのZero-DPSビルドで高GRパーティに参加する場合、いちいちメインキャラのBotTを外してくる必要もなくなります。
そういうわがままでパーティを待たせてしまうとキックされたり、パーティがしらけて解散してしまいます。当然、後々になってあなたを誘う人も減ります。「あー、この人ジェム交換とかでいちいち間を開ける人だったなー、他の人に声をかけよう」となりかねません。スピードは礼儀。
Bane of the Powerful(攻撃用)
ちょっとクセのある攻撃ジェム。
プライマリ効果の発動条件がエリートパックを「全滅」なので、黄色の子分を逃してしまったり、逃げ回るタイプの弓や魔法を使うエリートの場合、Powerfulの効果が時間切れになってしまいます。
確実に全滅できる圧倒的な火力がある場合には効果的なのですが、逆に言えばそれだけの火力があるなら、すでにPowerfulが無くても良いんじゃね?という矛盾があります。
セカンダリ効果はエリートに対し常に15%ダメージアップなので、これは効果的ではあります。
でも、Powerfulを必要とするくらいなら、防御ジェムを装備して命知らずな脳筋突撃を可能にしたほうが攻撃力が上がるんじゃね?というのが私の戦略です。
逆に言えば、十分な防御力をジェム無しで確保できているなら、このPowerfulジェムは極めて有効なスピードキル手段になります。
Pain Enhancer(DOTダメージ、攻撃速度アップ)
DOTダメージ(一度当てた敵にじわじわダメージが入る)が発生できます。
低難易度ファームをする場合、ちょっとでもカスった雑魚が数秒後にばたばた倒れるようになります。リフトキーストーン狙いのNRで確実にバー伸ばし速度がアップします。ドンと大きく撃つタイプには向かず、周辺にばらまくタイプの攻撃スキルによく合います。
なお、遠くで敵が倒れて何かをドロップすることがありますが、それを取りに戻っていると何のためのスピードキルなのか、本末転倒になります。少々の取り忘れが起きてもおかまいなしに、どんどん走ってどんどんDoTをばらまきましょう。
一部の攻撃は対象外なので、使ってみて効果が感じられないなら使用を諦めましょう。
Wreath of Lightning(移動速度アップ)
攻撃を命中させると15%の確率で25%の移動速度アップ。
周辺に電撃を撒き散らしますが、これの威力は低いので、あくまでも移動速度アップ用と割り切った方が良いです。火力はダウンしますが、難易度を下げたT8やT10の高速バウンティで活躍してくれます。移動速度アップは通常の装備品やパラゴンによる上昇では25%が限界ですが、それ以上の移動速度にしたい場合はこういうジェムを使います。
連続的に何かをヒットし続ける必要があるので、移動攻撃スキルをメインに使うビルドに適しています。
一部の攻撃は対象外なので、使ってみて効果が出る頻度が悪いと思ったら使用を諦めましょう。
Taeguk(攻撃+防御)
当てた回数でダメージ上昇と防御上昇が得られる、攻防一体のジェムです。
多くのビルドでバリエーションの1つとして有効です。
Esoteric Alteration(防御)
防御ジェム筆頭!属性ダメージを大幅にカットしてくれます。
メインスキルの都合上、立ち止まって巨砲を撃つビルドの場合、逃げ回らずに攻撃に専念できるようになります。防御は最大の攻撃!
このジェムをつけた上で、その他のソケットにダイヤモンド(レジスト+)やアメジスト(VIT+)を付けておけば、作ったばかりのキャラでもT10やT13程度なら生存し続けることが可能になります。
寄生プレイをするなら必ずつけておくのが引率を受ける時の礼儀だと思います。寄生するなら徹底的に。中途半端な攻撃をしているフリをするのではなく、ガッチリと防御を固めて、感謝をこめて全ての経験値とドロップをかき集めましょう。
言うまでもなく「死んだら終わり」のハードコアモードではあらゆるビルドで常用されます。
Molten Wildbeest's Gizzard(防御)
激烈なライフ回復力と自動シールド展開。Zmonkに支援してもらっているような感覚でプレイできます。セカンダリのシールドはちょっと逃げ回っているだけで次々に自動展開します。ランク30程度でも激烈な回復効果があります。使っている人が少ないですが、とてつもない生存力を得られるオススメジェムです。可能な限り強化しておき、もし使い勝手が悪かったらCaldesann合成の素材として消費してしまえばOKです。
で、最後にStricken。
さんざんdisってきましたが、どのビルドでも最終的必要になります。常に最高レベルを維持するようにしておきましょう。
複数のキャラを作っている場合、複数のStrickenを拾っておいて(※後述)箱に常備しておくと良いです。
■複数の同ジェムを拾う方法
- 1個目をゲット
- 街で落とし、GRへ
- 持っていないことになるので、2個目をゲットできる
- 街に落とし、再びGRへ
- また手に入る
以上。
逆に言えば、要らないジェムだと思って街で捨てても、次のGRでまた荷物にねじこまれます。
たまに同じジェムを何度も捨てている人がいますが、GRに潜ると数分前の記憶を失う設定か、学習能力が無い動物なのでしょうか。
■高GRパーティなのにStrickenを使わない?
(パッチ状況によってメインDPS職は変動します。適時読み替えてください。)
高GRパーティのリフトガーディアン戦では、純粋なDPS職、つまりウィザードや火力特化モンク以外は、どんなに頑張ってもボスを倒すのに十分な火力を得られません。ウィザードが9割減らし、他の人はせいぜい1割とかいう状況になります。
そういうパーティの場合は、対ボスはStricken付きウィザード(RG-DPS)にすべて任せます。その代わり道中のザコ殲滅を担当するためにあえてStrickenを使わず、Pain EnhancerやTrapを使うケースがあります。これは「道中DPS(英語圏だと"Trash DPS" ?)」と呼ばれています。パーティメンバーと相談して決めてみてください。
いわゆるZ職、Zero-DPSビルドというのは、その考えを徹底的に推し進めたビルドで、火力そのものを全て捨てて、支援ジェムと支援スキルだけで立ち回っているわけです。
パーティでの半端な火力+BotSは本当に無意味なのでやめましょう。
■まとめ
-
Strickenを装備しているから防御を確保できず、
-
防御が足りないからパーティの防御力を高めるZ-Monkが必須になり、
-
敵の体力はパーティ人数の掛け算で増えるから、火力不足になる
-
火力不足だと思ってStrickenを使い続けるから死にまくる
-
死にまくるからクリアできない
- 装備も腕も無いなら、防御を上げろ!
■おまけ
Strickenの発音は「ストリクン」もしくは「ストリカン」です。
日本語ローマ字読みだと「ストリッケン」ですが、厳密には誤りです。
たまに「スティッケン」と言っている日本人がいましたが、
まぁ、そういう誤りを「◯◯が正しい発音だよ」と相手の誤りを真正面から指摘すると人間関係がおかしくなるのでやめましょう。そういうことをするのはコミュ障です。
「スティッケンつけないの?」と言われたら「うん。俺はファームではストリクンを使わないよ。理由は~」という具合に、自分だけ正しい呼び方をしていれば良いです。察しの良い人なら徐々に合わせてくれるようになります。たぶん。